2021.04.01

大分で米社がアジア初の「宇宙港」、決め手は温泉と町工場

「大分がアジア初の宇宙港に」──。2020年4月、米ヴァージン・オービットと大分県が提携し、22年の人工衛星打ち上げを目指すという計画が突如発表された。同年9月には内閣府の「宇宙ビジネス創出推進自治体」にも選定。地元では、大分が宇宙産業の一大拠点になるかもしれないと新産業創出に期待が高まる。

宇宙港(スペースポート)とは、宇宙船の離着陸場の総称だ。大分県の計画では、国東市の大分空港を活用。ジャンボジェットがロケットを抱えて離陸し、空中から発射させる「水平型」の宇宙港を想定する。

選ばれた理由を大きく3つ挙げます。

1「3000メートル級の長い滑走路」
打ち上げに使う飛行機はジャンボジェット機のボーイング747が想定されていて、離着陸には十分な助走が行える滑走路が不可欠です。大分空港は地方空港では珍しく、3000メートルの滑走路を有しています。

2「海に接する立地」
人口密集地の近くの場合、万が一の事故があったときにリスクが高くなります。一方で、海と接している大分空港は、打ち上げ場所として想定されている太平洋まで常に海の上を飛んでその場所まで向かうことができます。

3「混まない空港と“おんせん県”」
飛行機が数分単位で離着陸する都市部の空港とは違って、大分空港はまだまだ路線数が限られており、ロケットを打ち上げる立場としては時間の融通が利きやすい事があります。
さらに、多くのエンジニアが長期間滞在することも想定され、全国有数の温泉地である別府や湯布院などの観光地でリフレッシュできることも好材料になったというのです。